PVA用紙+レーザープリンターでオリジナルパーツ その3

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その1
その2

日数が経過したシートに印刷してみたら…


このPVA用紙は、模索1回目(2016年9月)に作ったものです。
PVA用紙に印刷した状態と、そこからレジンに転写した状態のサンプルを作ろうとしました。

前回同様にレジンを垂らして、ぺろっと剥がすと…
レジンだけが剥がれてしまいました(;´Д`)
どうやらPVAの水分含有量が低くなり、レジンよりもPVA用紙の方にしっかり着いていたようです。

その1で、レジンを硬化したらすぐ剥がして使えると書きましたが、今回は水に浮かべる必要がありました。
5分も浮かせればPVA用紙とトナーの定着度が落ちるので、まあ実用的な範囲かなー。

どこまで細かい印刷ができるか?

今回は線の細さを試すため、0.05mm〜1mmまでの線も出力。
また、きちんとイラレのCYMKモードでCYMK100%で指定するとどうなるかもテストしてみました。

前回の、Inkscapeで指定したCYM100%データ

今回の、イラレで指定したCYM100%データ

えー…プリンターが家庭用だからか、カラーマネジメントがうまく処理されてないのか、変化ないように感じますね(;´Д`)

線の細さは
・Kは0.1mm以上(0.05と0.1の違いがわからない)
・CYMは0.15mm以上(それ以下だと破線のように見える)
が良さそう。

猫は
・座りポーズ大が約3×6mm〜
・座りポーズ小が約3×5mm〜
・横向き大が約3.5×8mm〜
・横向き小が約3×7.5mm〜

0.1mmの線が明確に引けてますんで、ネイルシールサイズの猫も問題ないですね!

使い方

PVA用紙に好きな柄を印刷する

UVレジンをかけて硬化する

転写したい柄にUVレジンをかけて、クリアフォルダを重ねて硬化します。
用紙全体にレジン塗ってクリアフォルダかけると気泡入りやすいので、適当な大きさで切り分けて硬化する方がオススメです。
厚みを薄くする必要がなければ、全部転写しといた方が楽かも。

ソフトレジンを使うとカットしやすいのでオススメですが、そもそもこの技法を使うなら「屈折率の変化で境界が出ない」ことを求めていると思いますので、自分が作品に使用しているレジンを使うのがベストです。
クリアフォルダ乗せればペラペラになるので、ハードタイプでもカット可能です。

水に浮かべる

適当に切り分けて、5分ほど水に浮かべます。
紙全体が湿気ったら定着性が落ちますので、レジンとPVA用紙を剥がします。
完全にPVAが溶けているわけではないため、ベタベタすることなく、ペリッと気持ちいい音を立てて剥がれます。

レジンに封入する

少し厚みがあるフィルムシート・ネイルパーツのつもりで使用してください。
糊の類は残っていませんので、先にレジンを薄く塗ってから沈めると、気泡がつきにくいです。

この技法のメリット

  • 屈折率が同じなので、パーツの境界での反射が起こらない
  • 素材が同じなので、境界に気泡が出ない
  • 完全にオリジナルの素材が、いつでも一部から作成できる
  • 仕入れ不能にならない
  • 高価な材料は使っていない

この技法のデメリット

  • 色味がプリンターに依存する
  • CYM100%で完全にベタ塗りができない
  • PVA用紙の作成とレジンへの転写という手間がかかる
  • 大量に作っても安くはならない
  • 糊のムラ、用紙端できれいに印刷できない部分がある

作り置きするときの注意

レジンに転写してから長期間保管すると、レジンが黄変すると思います。

レジンに転写したらすぐにPVA用紙を剥がすところまでやってください。
PVAの乾燥で用紙側が縮み、レジンとトナーの間に空気が入ってしまう可能性があります。

長期間保存する場合、PVA用紙のままの状態で、乾燥した暗所で、折れや曲がりを防ぐためにクリアフォルダなどに挟んでの保管をオススメします。

反射が生じないPR動画

ちゃんとした動画作るの忘れそうなんで、とりあえずツイートしたやつ貼っておきます。
出先で隙間時間に撮ったんで、音は気にしないでください(;´Д`)